Nature ハイライト
細胞:テロメアが無制限に伸びないようにする仕組み
Nature 488, 7412
直鎖状の染色体が複製する際には、末端にあるテロメアと呼ばれる部分が少し短くなる。テロメラーゼという酵素は特殊なポリメラーゼで、細胞周期のS期にテロメアの反復DNA配列上で働き、短くなったテロメアをほぼ60ヌクレオチド分伸長する。J Lingnerたちは、三量体のCST複合体がS期の末期にテロメアのプライマーやPOT1–TPP1複合体に結合して、テロメラーゼ活性を阻害することを見いだした。テロメアが無制限に長くなるのは、このような方法で抑制されており、そして個々のテロメアは1回の細胞周期ごとにテロメラーゼによって1回だけ伸長されるのである。
2012年8月23日号の Nature ハイライト
物理:クーロンドラッグの損失をカットする
物性:効果的な有機強誘電体
地球:ヒマラヤ山脈の氷河質量損失の再計算
遺伝:突然変異率はクロマチン構造の影響を受ける
遺伝:多発性硬化症における遺伝的変動
医学:がん細胞の階層
医学:固形腫瘍のクローン解析
植物:低リン酸土壌に耐えるイネ
細胞:テロメアが無制限に伸びないようにする仕組み