Nature ハイライト
材料:長く伸びるヒドロゲル
Nature 489, 7414
ヒドロゲルは、ソフトコンタクトレンズや生体組織工学の骨格材に用いられるほか、薬物送達分野でも利用されているが、機械的特性が劣っているのでこれまで応用範囲が限られていた。しかし、今回報告された強靭で伸縮性の高い新材料によって、ヒドロゲルは未知の領域へ踏み込むことになるかもしれない。この新しい材料系は二重のネットワークからなるゲルであり、一方のネットワークがイオン性架橋を形成し、もう一方のネットワークが共有結合性架橋を形成している。この材料は、破壊エネルギーが非常に高く、とてもよく伸びる。通常なら亀裂発生の原因になる欠陥が含まれていても、元の長さの17倍以上に伸びるのだ。このような靭性の高さは、共有結合ネットワークによって亀裂架橋が起こることに起因する。これには、イオン性架橋ネットワークにおけるイオン性架橋の解重合(アンジッピング)によるエネルギー散逸が伴っている。
2012年9月6日号の Nature ハイライト
遺伝:ヒトDNAのユーザーガイド
遺伝:接近可能なクロマチンのマップ
遺伝:転写因子のフットプリント
遺伝:ヒトの調節ネットワークの構造
遺伝:転写の全体像
遺伝:遺伝子プロモーターの長距離相互作用の全体像
宇宙:近傍宇宙にあるリチウム7の探索
材料:長く伸びるヒドロゲル
気候:北極圏の氷から放出される炭素
気候:南極半島の温暖化の記録
行動:ショウジョウバエの試行錯誤学習