Nature ハイライト
地球物理学:地殻のある種の再循環
Nature 443, 7111
プレートテクトニクスの過程で、物質は地表から地球内部へと送り返される。特徴的な組成をもつそのような物質が、地球内部の対流によって再び地表に戻ってくることがあるのかどうかを確かめることは、地球物理学の大きな研究目標であった。今回、上部マントル内のリチウム同位体比の変動を研究した結果から、対流する地球内部のサンプルとなるいくつかの海底溶岩の化学組成に、そのような「再循環」の証拠が見つかった。しかし予想されていたように、この再循環の証拠は元の地殻プレートから生じたものではなく、対流域に沈 み込んだ地殻プレートによってマントル物質が影響を受けたために生じたものだった。したがって、地殻プレート自体がどうなったのかははっきりしないままである。
2006年10月5日号の Nature ハイライト
神経経済学:心を決めろ
生体工学:ひげの効用
宇宙:注目される新しい太陽系外惑星
生化学:強力な毒素の働き方
物理:太陽電子を壁打ちする
量子情報科学:異質なものを組み合せた テレポーテーション
地球物理学:地殻のある種の再循環
遺伝:ゲノム修復の達人
医学:1918 年に大流行したインフルエンザの研究
進化:変化のための時間