Nature ハイライト
進化:変化のための時間
Nature 443, 7111
細胞周期の間には、数百もの遺伝子が周期的に転写される。これにかかわるタンパク質複合体、すなわち分子装置はどんな真核生物でも大差ないが、ヒト、酵母、植物の大規模なマイクロアレイデータを比較したところ、これらの同じ分子装置を細胞周期の適切な時期に組み立てるために、さまざまな解決法が進化してきたことが明らかになった。転写調節と翻訳後調節は相前後して進化し、しかも変化は、進化の時間スケールから見ると驚くほど速く、わずか数億年程度という短い時間で起こっている。つまり、脊椎動物の間ですら調節機構はかなり異なる可能性があることになる。
2006年10月5日号の Nature ハイライト
神経経済学:心を決めろ
生体工学:ひげの効用
宇宙:注目される新しい太陽系外惑星
生化学:強力な毒素の働き方
物理:太陽電子を壁打ちする
量子情報科学:異質なものを組み合せた テレポーテーション
地球物理学:地殻のある種の再循環
遺伝:ゲノム修復の達人
医学:1918 年に大流行したインフルエンザの研究
進化:変化のための時間