Nature ハイライト
進化:小さなステップが進化の跳躍につながる
Nature 489, 7417
ダーウィンの唱えた漸進説と跳躍説とを組み合わせ、進化の小さなステップがさらに劇的な進化の跳躍への道を開くことが示唆されてきたが、自然史からその詳しい機構を明らかにするのは困難であった。今回R Lenskiたちは、全ゲノム塩基配列解析と「進化の再現」実験を組み合わせることにより、細菌の実験個体群で3万世代、20年以上の間に進化した、好気的クエン酸利用という1つの重要な革新が多段階を経て生じた経緯を解明した。彼らが解明した3段階の過程は、相乗作用によって1つの形質が実現可能になり、実現によってそれが表に現れ、改良によって有効化されるというもので、このような過程は、原始的四肢類の地上への定住など、ほかの生物学的革新に典型的なものだと考えられる。
2012年9月27日号の Nature ハイライト
進化:小さなステップが進化の跳躍につながる
医学:肺がんゲノムの解析
医学:有効な抗インフルエンザ抗体
量子情報科学:シリコンと互換性があるスピンキュービット
地球:初期後生動物のための酸素の息吹
生態:気候変動で乱される冬眠
進化:初期のヒト族の食生活
発生:皮膚の薄い哺乳類にも再生能力
医学:ワクチンに使いやすい抗インフルエンザ抗体
生化学:膜タンパク質の相互作用のマップを作る