Nature ハイライト
量子情報科学:シリコンと互換性があるスピンキュービット
Nature 489, 7417
シリコンデバイスは、すでに集積電子回路の基盤となっているため、将来の量子計算アーキテクチャーも、シリコンを基盤とし、十分に発達した同じ製造技術を利用できれば理想的であろう。10年以上前に最初に提案されたシリコンキュービット(量子ビット)を構築する有望な方法は、シリコン中の単一のドーパント原子を利用したものである。J Plaたちは今回、リンの単一ドナー原子の電子スピンを読み出し、制御できるシリコンナノ電子デバイスを作製し、200 μsというきわめて長いスピンコヒーレンス時間を実証している。キュービットの優れた性能と実用的な製造方法を組み合わせれば、スケーラブルな量子計算回路の構築への道が開かれる。
2012年9月27日号の Nature ハイライト
進化:小さなステップが進化の跳躍につながる
医学:肺がんゲノムの解析
医学:有効な抗インフルエンザ抗体
量子情報科学:シリコンと互換性があるスピンキュービット
地球:初期後生動物のための酸素の息吹
生態:気候変動で乱される冬眠
進化:初期のヒト族の食生活
発生:皮膚の薄い哺乳類にも再生能力
医学:ワクチンに使いやすい抗インフルエンザ抗体
生化学:膜タンパク質の相互作用のマップを作る