Nature ハイライト
進化:初期のヒト族の食生活
Nature 489, 7417
ヒト族パラントロプス属のParanthropus robustusは植物食に特化しており、そのことが、約100万年前にこの種が絶滅した要因の1つだと考えられている。一方、初期のヒト属はそれよりも多様で肉類を含む食物を摂取していた。今回、南アフリカのアウストラロピテクス属種(パラントロプス属とヒト属の共通祖先と考えられている)の歯の化石に含まれる同位体の比率を分析した研究で、アウストラロピテクス属の食餌がヒト属以上に多様だったことが示唆された。アウストラロピテクス属が占有していた幅広い生態ニッチは分割され、それよりも食餌の幅が狭いパラントロプス属と初期ヒト属がそのニッチを埋めたのだろうと研究チームは推測している。
2012年9月27日号の Nature ハイライト
進化:小さなステップが進化の跳躍につながる
医学:肺がんゲノムの解析
医学:有効な抗インフルエンザ抗体
量子情報科学:シリコンと互換性があるスピンキュービット
地球:初期後生動物のための酸素の息吹
生態:気候変動で乱される冬眠
進化:初期のヒト族の食生活
発生:皮膚の薄い哺乳類にも再生能力
医学:ワクチンに使いやすい抗インフルエンザ抗体
生化学:膜タンパク質の相互作用のマップを作る