Nature ハイライト

進化:遺伝子の重複で単純化?

Nature 449, 7158

遺伝子重複と遺伝子喪失は、革新をもたらす進化の重要な仕組みだが、この過程を支配する進化の原理については、ほとんどわかっていない。SYNERGYは新しく開発されたアルゴリズムで、塩基配列の類似性と生物種の系統発生とを使って、一群の生物種における遺伝子の重複と喪失の進化史をマップ化する。この方法を、17種類の子嚢菌類(よく使われるモデル生物である出芽酵母と分裂酵母を含む)のゲノムに適用し、酵母の系統での遺伝子重複と遺伝子喪失の役割が解明された。その結果得られた推論の1つは、遺伝子重複は系を複雑にするのではなくて、経路の特殊化とモジュール化を推し進めることで、むしろ単純化すると考えられるというものだ。

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