Nature ハイライト
宇宙:1つの星団に2つのブラックホール
Nature 490, 7418
現在の共通見解では、典型的な球状星団は、たった1個の恒星質量ブラックホールを維持するための余裕しかない。もっと多くのブラックホールが形成されても、1つを除いて全部が、その後の力学的相互作用によって外にはじき出されてしまうと考えられている。しかし今回、天の川銀河にある球状星団M22の観測から、この1つの球状星団に2つの電波源があり、それぞれ、降着を起こしている太陽質量の10倍のブラックホールに典型的な性質を示すことが明らかになっている。このことは、ブラックホールの放出が、ほとんどのモデルで予想されているよりも効率的でないことを示している。そしてそれにとどまらず、M22には数十個のブラックホールからなる集団が存在し、単一ブラックホールや質量移行のない連星系としてそれぞれが存在している可能性が推測されている。
2012年10月4日号の Nature ハイライト
遺伝:カキのゲノムから防御機構が判明
医学:糖尿病と腸内メタゲノム
医学:乳がんにおける遺伝子の多様性
宇宙:1つの星団に2つのブラックホール
宇宙:がか座β星系内にある彗星に似たダスト
物理:量子時計のねじを巻く
気候:硫酸塩エアロゾルと気候の関連
進化:殻のある化石が立証する軟体動物どうしの関係
免疫:胎児の免疫防御
免疫:エイコサノイドはインフラマソームの働きを仲介する
医学:バーキットリンパ腫の新しい薬剤標的