Nature ハイライト
気候:硫酸塩エアロゾルと気候の関連
Nature 490, 7418
極域の氷床コアは硫酸塩エアロゾルの記録を保持しているが、これまで、南極の氷床コア試料を融解する解析では、エアロゾルと気候の間で起こりうる相互作用についてあいまいな結論しか得られていない。今回、飯塚芳徳(北海道大学)たちは、硫酸が付着したダストを硫酸塩から分離することで、南極内陸のドームふじの観測点において、過去30万年間にわたり硫酸塩の濃度と局地的な気候変動には逆の相関があったことを示している。最終氷期最盛期以降の硫酸塩の変化は、現代の温暖化に寄与していた可能性があるが、見積もられた効果は不確実性が大きい。これとは対照的に、硫酸イオンの濃度は氷期から間氷期への遷移を通して一定に保たれており、この結果は、気候は海洋の植物プランクトンを媒体として、硫酸塩によって制御されているとする、長い間議論されているCLAW(Charlson、Lovelock、Andreae、Warren)仮説の予想に反している。
2012年10月4日号の Nature ハイライト
遺伝:カキのゲノムから防御機構が判明
医学:糖尿病と腸内メタゲノム
医学:乳がんにおける遺伝子の多様性
宇宙:1つの星団に2つのブラックホール
宇宙:がか座β星系内にある彗星に似たダスト
物理:量子時計のねじを巻く
気候:硫酸塩エアロゾルと気候の関連
進化:殻のある化石が立証する軟体動物どうしの関係
免疫:胎児の免疫防御
免疫:エイコサノイドはインフラマソームの働きを仲介する
医学:バーキットリンパ腫の新しい薬剤標的