Nature ハイライト
材料科学:高効率蛍光OLED
Nature 492, 7428
有機発光ダイオード(OLED)の効率を向上させるうまい方策の1つは、通常は発光に寄与しない「三重項」励起子(注入された電荷から生成される励起子の75%を占める)により発光するりん光性有機金属分子を導入することである。今回、魚山大樹(九州大学)たちは、有機ホスト材料の電子物性を分子設計により調節して、りん光性物質を加えなくても最終的に同程度の効率を実現できる別の手法について報告している。この新しい方法では、レアメタルを含まない有機エレクトロルミネッセンス分子を使い、分子設計によって一重項励起状態と三重項励起状態のエネルギーギャップを小さくすることにより、発光に有効に寄与できる状態へと三重項励起子が効率的に変換される。著者たちのデバイスの効率は、19%を超えるレベルに達しており、りん光OLEDの値に匹敵する。
2012年12月13日号の Nature ハイライト
細胞:SIRT2は細胞死の調節因子である
細胞:大きな障害物があるとT抗原は環を開いて進む
構造生物学:TatCタンパク質輸送体の構造
薬学:多機能を持つ薬剤の設計
宇宙:離れた連星系における第三のパートナー
材料科学:高効率蛍光OLED
地球:溶けた鉄がマントルへ移動する方法
細胞:酸性度の低下はミトコンドリアの老化の兆候
生化学:タンパク質移動におけるRNAの役割
細胞:TPP1テロメアタンパク質のTELパッチ