Nature ハイライト
細胞:TPP1テロメアタンパク質のTELパッチ
Nature 492, 7428
ヒト染色体のテロメアに結合するタンパク質のTPP1は、テロメアの一本鎖DNAに結合し、染色体末端を保護する重要な役割を担っている。TPP1は、染色体末端を複製する酵素であるテロメラーゼの動員とその機能の促進の両方を行うと考えられている。T Cechたちは、TPP1の機能分離性変異体を用いて、テロメラーゼへの結合とテロメアのキャッピングはそれぞれ独立した機能であることを明らかにしている。これらの変異体によって、TPP1の表面にあるアミノ酸の小さなパッチ(TELパッチ)が見つかった。このTELパッチは、テロメラーゼへの結合とその機能の促進の両方に必要である。テロメラーゼは多くのがんで過剰発現しているので、抗がん剤開発の重要な標的となっている。テロメラーゼ自体の阻害は難しいことがわかっているので、TELパッチは抗がん治療のための有望な新戦略につながりそうだ。
2012年12月13日号の Nature ハイライト
細胞:SIRT2は細胞死の調節因子である
細胞:大きな障害物があるとT抗原は環を開いて進む
構造生物学:TatCタンパク質輸送体の構造
薬学:多機能を持つ薬剤の設計
宇宙:離れた連星系における第三のパートナー
材料科学:高効率蛍光OLED
地球:溶けた鉄がマントルへ移動する方法
細胞:酸性度の低下はミトコンドリアの老化の兆候
生化学:タンパク質移動におけるRNAの役割
細胞:TPP1テロメアタンパク質のTELパッチ