Nature ハイライト

細胞:酸性度の低下はミトコンドリアの老化の兆候

Nature 492, 7428

液胞内のpH上昇によるミトコンドリアの機能不全が、出芽酵母(Saccharomyces cerevisiae)の寿命の決定因子であることが明らかになった。液胞の酸性度は時間とともに低下することが示されているが、これから十分長く生きる可能性のある新生細胞では、pHが初期状態にリセットされる。カロリー制限は、保存された栄養感知経路を介して液胞の酸性度を上昇させ、寿命を伸ばし、ミトコンドリアが機能不全に陥るのを妨げる。酸性度の変化によってミトコンドリアの機能が損なわれるのは、液胞内腔のアミノ酸貯蔵量が低下するためらしい。これらの知見は、アミノ酸とグルコースが一緒になって寿命を調節するという機構を示しているのかもしれない。

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