Nature ハイライト
Cover Story:分割と統治:セントラルスピンドリンは細胞分裂におけるミッシングリンク
Nature 492, 7428
動物細胞での細胞分裂の最後には、細胞質分裂と呼ばれる過程で母細胞が2つの娘細胞に分かれ、分離した染色体が分配される。紡錘体は細胞膜で細胞質分裂事象を制御するが、これら2つのマクロ構造を結びつける仕組みは解明されていなかった。今回、M Petronczkiたちは、構造解析と機能解析を行い、紡錘体と細胞膜の間の「ミッシングリンク」が、紡錘体の中央帯と中央体にあるタンパク質複合体のセントラルスピンドリンであることを明らかにした。これがあることで、細胞質分裂の最終場面に当たる切断が確実に起こるようになる。セントラルスピンドリンのMgcRacGAPサブユニット中の1つのドメインが、細胞膜内のホスホイノシチド脂質へ紡錘体を結合するつなぎ役であることが明らかになった。表紙は有糸分裂中期にある細胞の蛍光顕微鏡写真。(Letter p.276)
2012年12月13日号の Nature ハイライト
細胞:SIRT2は細胞死の調節因子である
細胞:大きな障害物があるとT抗原は環を開いて進む
構造生物学:TatCタンパク質輸送体の構造
薬学:多機能を持つ薬剤の設計
宇宙:離れた連星系における第三のパートナー
材料科学:高効率蛍光OLED
地球:溶けた鉄がマントルへ移動する方法
細胞:酸性度の低下はミトコンドリアの老化の兆候
生化学:タンパク質移動におけるRNAの役割
細胞:TPP1テロメアタンパク質のTELパッチ