Nature ハイライト
地球:マントルの粘性異方性
Nature 492, 7429
地球マントルの岩石の粘性異方性は、多くのテクトニクス過程に強い影響を与える。今回L Hansenたちは、地球の地殻の主要鉱物である大きく変形した多結晶カンラン石の粘性異方性測定について報告し、その異方性が、鉱物粒スケールのシミュレーションで予測される値よりも約1桁大きいことを示している。地質学的に低い剪断ひずみで異方性が最大になるので、上部マントルの変形領域には著しい粘性異方性が存在するはずである。数値シミュレーションと室内実験の相違は、現在の異方性モデルの限界を明らかにしており、この結果は将来の地球力学シミュレーションに大きな制約を与える。
2012年12月20日号の Nature ハイライト
遺伝:赤血球の生物学的特性の遺伝学
再生医学:マイクロRNAが心臓再生を促進
医学:脆弱X症候群でのシグナル伝達
宇宙:年齢を通して見た星団
光学:異常光透過の理解が深まる
地球:マントルの粘性異方性
遺伝:栽培化されたワタ植物の進化
脳:行動選択の神経回路
細胞:iPSC株から得られる入り混じった遺伝学的情報
発生:Tet酵素の雌性生殖細胞での役割