Nature ハイライト
化学:結晶化不要のX線構造決定
Nature 495, 7442
X線回折は強力な解析手法だが、適用範囲が限られるという欠点がある。つまり、解析対象となる物質は結晶状態でなければならないのである。今回、試料自体の結晶化を必要としない新しいX線解析の手法が報告された。この方法では、金属有機構造体という結晶性の「スポンジ」を使って、解析対象分子を含んだ微量のゲスト溶液を吸収させる。このスポンジは、吸収した分子を認識して規則正しい配列でそれらと結合する細孔を持っているため、ホスト骨格とともに、吸収したゲスト分子のX線結晶構造解析が可能になる。この方法を使って、希少天然物ミヤコシンAの絶対構造が、たった5 μgという微量の試料を使って決定された。
2013年3月28日号の Nature ハイライト
化学:結晶化不要のX線構造決定
細胞生物学:プリオン様RNA結合タンパク質が関連する疾患
神経科学:RNA代謝が神経変性と結びつく
宇宙:近傍銀河での星形成
気候:深海のオパールと二酸化炭素の放出
進化:バージェス頁岩で見つかったギボシムシ
遺伝学:正面衝突は遺伝子進化を促す
免疫:Trib1タンパク質がマクロファージの機能に果たす役割
細胞生物学:エンドソームが関係するアドレナリン受容体シグナル伝達