Nature ハイライト
細胞生物学:プリオン様RNA結合タンパク質が関連する疾患
Nature 495, 7442
RNA結合タンパク質の変異は、どのようにしてヒトの疾患、特に神経変性疾患を起こすのだろうか。H Kimたちは、前頭側頭型認知症を伴う封入体ミオパチーを有する2家系で、2つのRNA結合タンパク質hnRNPA2B1とhnRNPA1に生じた変異を突き止めた。どちらの変異も、プリオンタンパク質と類似点があって凝集する傾向を持つタンパク質ドメインの、高度に保存された部位に存在する。この凝集は、今回見つかった2つの変異によって増強される。hnRNPA2の変異が生じたプリオン様ドメインは、酵母プリオンタンパク質のドメインと機能的に置換可能で、そのプリオン様の挙動を再現できる。これらの結果は、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患やプロテイノパチー(タンパク質症)の発症機序に関係してくる。
2013年3月28日号の Nature ハイライト
化学:結晶化不要のX線構造決定
細胞生物学:プリオン様RNA結合タンパク質が関連する疾患
神経科学:RNA代謝が神経変性と結びつく
宇宙:近傍銀河での星形成
気候:深海のオパールと二酸化炭素の放出
進化:バージェス頁岩で見つかったギボシムシ
遺伝学:正面衝突は遺伝子進化を促す
免疫:Trib1タンパク質がマクロファージの機能に果たす役割
細胞生物学:エンドソームが関係するアドレナリン受容体シグナル伝達