Nature ハイライト

細胞生物学:プリオン様RNA結合タンパク質が関連する疾患

Nature 495, 7442

正常なハエ(左)とhnRNPA2変異を持つハエ(右)。
正常なハエ(左)とhnRNPA2変異を持つハエ(右)。 | 拡大する

Credit: Nam Chul Kim

RNA結合タンパク質の変異は、どのようにしてヒトの疾患、特に神経変性疾患を起こすのだろうか。H Kimたちは、前頭側頭型認知症を伴う封入体ミオパチーを有する2家系で、2つのRNA結合タンパク質hnRNPA2B1とhnRNPA1に生じた変異を突き止めた。どちらの変異も、プリオンタンパク質と類似点があって凝集する傾向を持つタンパク質ドメインの、高度に保存された部位に存在する。この凝集は、今回見つかった2つの変異によって増強される。hnRNPA2の変異が生じたプリオン様ドメインは、酵母プリオンタンパク質のドメインと機能的に置換可能で、そのプリオン様の挙動を再現できる。これらの結果は、筋萎縮性側索硬化症などの変性疾患やプロテイノパチー(タンパク質症)の発症機序に関係してくる。

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