Nature ハイライト
免疫:Trib1タンパク質がマクロファージの機能に果たす役割
Nature 495, 7442
マクロファージは大まかに2つのタイプに分類される。M1細胞は微生物感染に対して活動する免疫細胞であり、M2細胞は組織修復、蠕虫感染、腫瘍プログレッションやさまざまな脂質代謝障害などの幅広い機能を持つ。今回、COP1ユビキチンリガーゼとの相互作用を介してタンパク質分解に関わっているアダプタータンパク質のTrib1(Tribbles homolog 1)が、M2に似た表現型を持つ脂肪組織常在型のマクロファージの発生に不可欠であることが示された。Trib1の欠損は、転写因子C/EBPαの発現異常と脂肪組織機能の障害につながる。TRIB1変異は、アテローム性動脈硬化や高脂血症などの脂質代謝異常と関係するとされており、この研究はヒトのTRIB1と脂質代謝異常との間の関係について考えられる説明を示している。
2013年3月28日号の Nature ハイライト
化学:結晶化不要のX線構造決定
細胞生物学:プリオン様RNA結合タンパク質が関連する疾患
神経科学:RNA代謝が神経変性と結びつく
宇宙:近傍銀河での星形成
気候:深海のオパールと二酸化炭素の放出
進化:バージェス頁岩で見つかったギボシムシ
遺伝学:正面衝突は遺伝子進化を促す
免疫:Trib1タンパク質がマクロファージの機能に果たす役割
細胞生物学:エンドソームが関係するアドレナリン受容体シグナル伝達