Nature ハイライト

細胞:死んだ細胞のシグナル伝達機能

Nature 497, 7448

アポトーシス細胞死は、発生の際、また骨格筋などの健康な組織での恒常性維持の際に起こる。アポトーシスにより死んだ細胞は有用な役割は果たしていないとこれまで考えられていたが、新たな研究で、この説に疑問が投げかけられている。K Ravichandranたちは、マウスの骨格筋の分化の際に筋前駆細胞の一部がアポトーシスを起こし、これらの細胞が、ホスファチジルセリンという重要なシグナルを出して筋肉の発生を促進することを明らかにした。体が、細胞死を単に不要な細胞を体から除去するためだけでなく、分化を調節するためにも使っているかもしれないというこの考え方は、組織内細胞の代謝回転の新たな一面を明らかにしている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度