Nature ハイライト
物理:ナノスケールの接合における熱測定
Nature 498, 7453
ナノスケール接合を通る電子電荷の流れは詳しく研究されてきたが、そうした微小電流によって生じる熱の測定は困難である。今回、熱電対を組み込んだ走査トンネルプローブを用いた新手法によって、原子スケールで熱散逸を調べることが可能になった。この手法を用いて、非対称的な熱散逸が観測され、発生した熱量が電圧バイアスの極性と多数電荷キャリアに依存することがわかった。この結果は、原子スケール接合の電荷輸送特性と熱散逸を関係付けるものであり、この結果を用いて、電荷輸送が主として弾性的であり接触領域でエネルギー交換が起こらないさまざまなメゾスコピック系を説明できる。そうした系としては、半導体ナノワイヤー、二次元電子ガス、半導体ヘテロ構造、カーボンナノチューブ、グラフェンなどが挙げられる。
2013年6月13日号の Nature ハイライト
構造生物学:GIRK2–Gタンパク質βγ二量体の構造
宇宙:球状星団の星は進化の最終段階を早々に離脱する
物理:低温原子のスピントランジスター
物理:通信中に姿を隠すメッセージ
物理:ナノスケールの接合における熱測定
地球:マントルの粘性に対する水の影響
免疫:自己炎症におけるインターロイキン1αの役割
医学:媒介動物である蚊は感染と防御の両方に働く?
分子生物学:MBNLタンパク質と多能性
細胞:幹細胞が分裂する際の姉妹染色分体の運命