Nature ハイライト
細胞:幹細胞が分裂する際の姉妹染色分体の運命
Nature 498, 7453
山下由起子(米国ミシガン大学)とS Yadlapalliは、単一染色体レベルの分解能を備えたCO-FISH(染色体配向蛍光in situハイブリダイゼーション)法を用いた実験で、ショウジョウバエの雄の生殖系列幹細胞(GSC)が非対称に細胞分裂する際には、性染色体の姉妹染色分体の分離が非ランダムに起こり、常染色体の場合とは異なることを明らかにしている。一方、GSCの過剰増殖の際や、脱分化したGSCでは、姉妹染色分体の分離はランダムに起こる。これらの知見からすると、姉妹染色分体がランダムに分離しない理由は、これまで考えられていたように、複製によって引き起こされる変異を避けて「不死DNA鎖」を守るためではないらしい。
2013年6月13日号の Nature ハイライト
構造生物学:GIRK2–Gタンパク質βγ二量体の構造
宇宙:球状星団の星は進化の最終段階を早々に離脱する
物理:低温原子のスピントランジスター
物理:通信中に姿を隠すメッセージ
物理:ナノスケールの接合における熱測定
地球:マントルの粘性に対する水の影響
免疫:自己炎症におけるインターロイキン1αの役割
医学:媒介動物である蚊は感染と防御の両方に働く?
分子生物学:MBNLタンパク質と多能性
細胞:幹細胞が分裂する際の姉妹染色分体の運命