Nature ハイライト
細胞:肝芽の誘導で臓器再生へ一歩前進
Nature 499, 7459
今回、谷口英樹(横浜市立大学)たちは概念実証研究として、肝細胞系譜へ運命が指定されたヒト誘導多能性幹(iPS)細胞と、ヒト血管内皮細胞および間葉系細胞とを混合培養するin vitro系を用いて、胚の臓器原基(今回の場合は「肝芽」)の発生過程で起こる細胞の再編成を再現した。こうして得られた肝芽を免疫不全マウスに移植したところ、血管網を持つ機能的なヒト肝臓組織が形成された。この研究から、臓器原基の作製とその移植が、臓器不全治療のための新しい有望な再生医療の手法になることが明らかになった。
2013年7月25日号の Nature ハイライト
物理:超流動フェルミ気体におけるソリトン
微生物学:培養されたことがない微生物のゲノミクス
構造生物学:2つのクラスBヒトGPCR受容体
地球化学:火星隕石の年代の食い違いを解決
材料科学:羽のように軽く壊れにくいプラスチック電子デバイス
進化:絶滅が危惧される大型類人猿の遺伝的全体像
細胞:肝芽の誘導で臓器再生へ一歩前進
医学:骨腫瘍の前駆細胞
医学:H7N9鳥インフルエンザウイルス分離株を調べる