Nature ハイライト

細胞:肝芽の誘導で臓器再生へ一歩前進

Nature 499, 7459

ヒトiPS細胞由来の肝芽。
ヒトiPS細胞由来の肝芽。 | 拡大する

Credit: Takanori Takebe

今回、谷口英樹(横浜市立大学)たちは概念実証研究として、肝細胞系譜へ運命が指定されたヒト誘導多能性幹(iPS)細胞と、ヒト血管内皮細胞および間葉系細胞とを混合培養するin vitro系を用いて、胚の臓器原基(今回の場合は「肝芽」)の発生過程で起こる細胞の再編成を再現した。こうして得られた肝芽を免疫不全マウスに移植したところ、血管網を持つ機能的なヒト肝臓組織が形成された。この研究から、臓器原基の作製とその移植が、臓器不全治療のための新しい有望な再生医療の手法になることが明らかになった。

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