Nature ハイライト
Cover Story:外界を見る:昆虫から哺乳動物に至る動物の視覚系のコネクトミクス
Nature 500, 7461
表紙は、再構築されたマウス網膜ニューロンの相互接続(青緑色の球;579,724個の接続中の112個)と接続マトリクス(p.168参照)の一部を三次元画像化したもの。今回3つのグループが、網膜をモデルに使って、個々のシナプスの接続レベルから遠距離にわたる樹状突起の相互作用に至る詳細な神経回路マッピングを行った。M Helmstaedterらは電子顕微鏡を使って、約1,000ニューロンからなるマウス網膜回路をマッピングした。その結果、新しいタイプの網膜双極性ニューロンが見つかり、視覚計算のための機構が示唆された。他の2つのグループは、古典的な神経計算モデルであるショウジョウバエ視覚系で、視覚動作検出の仕組みを調べた。竹村伸也(米国ハワード・ヒューズ医学研究所)らは、半自動の電子顕微鏡を使って視髄の基本的なコネクトーム(379のニューロン間で作られる8,637の化学シナプス)の再構築を行い、方向の選択性に一致する配線図とともに動き検出回路候補を明らかにした。M Maisakらはカルシウム画像化法を使い、T4とT5ニューロンの特定の亜集団がそれぞれ4つの主要な方向(前後上下)の動きのどれか1つに対応していること、またT4はON、T5はOFFのエッジに特異的であることを示した。
2013年8月8日号の Nature ハイライト
進化:混迷が深まる初期哺乳類進化の研究
宇宙:制御されたエンセラダスのプリューム
光学:期待されるスクイーズド光チップ
気候:10万年周期の氷河作用を支える駆動力
遺伝学:HeLa細胞のゲノムは意外に安定している
発生:内耳の再生
遺伝学:ビタミンCは幹細胞の機能に影響する
免疫:胃を落ち着かせる細菌カクテル
生化学:プリン代謝の安全弁