Nature ハイライト

がん:がん増殖調節因子のスクリーニング

Nature 501, 7466

哺乳類の無傷な生理系としてマウスの皮膚を選び 、in vivoでRNA干渉(RNAi)を使った初めての全ゲノムスクリーニングの結果が報告された。これまでに行われた哺乳類細胞でのRNAiスクリーニングは、培養系に限られていた。著者たちは、胚の表皮の正常増殖に関わる遺伝子群と、Hrasがん遺伝子が誘導する異常な細胞増殖に必要な遺伝子群を比較した。注目すべき結果の1つとして、βカテニンが正常細胞の増殖では抑制的に働いていることが分かった。これは、がん遺伝子が誘導する増殖にβカテニンが必要とされることとは対照的である。このスクリーニングで明らかになった上皮増殖の生理的調節因子の候補リストは、今後の研究のための十分な情報源となり、また皮膚がん治療の標的候補も示している。

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