Nature ハイライト
細胞:細菌のエフェクターであるNleBの毒性機構
Nature 501, 7466
これまでの研究で、腸管病原性の大腸菌(Escherichia coli)に由来するエフェクター群で、宿主のNF-κBシグナル伝達を阻害できるものが見つかっており、in vivoでの細菌の毒性には、そのうちの1つのNleBとして知られる因子のみが必要である。そして今回、2つの論文がNleBの独特な作用機構を明らかにした。NleBは、デス受容体シグナル伝達複合体を直接の標的として、デスドメイン(DD)を有する複数のタンパク質のDDに結合する。こうしたタンパク質には、TNF受容体、FAS、RIPK1、TRADDやFADDが含まれる。NleBは、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)トランスフェラーゼとして機能し、DDの保存されたアルギニンを修飾して、受容体とアダプターの相互作用を阻害することが示された。これらの知見は、GlcNAc修飾が細菌の毒性に不可欠であり、デス受容体シグナル伝達を調節し得ることを示唆している。