Nature ハイライト

構造生物学:タンパク質の設計法の改良/目的のタンパク質分子を得る新しいルート

Nature 501, 7466

医学や生物工学で使用するためのリガンド結合タンパク質を設計するのに現在使われている方法は、免疫された動物で標的抗原に対する抗体を産生させたり、目的のリガンドに対する親和性が低い既存タンパク質を望む方向に進化させたりする技術である。今回、小分子に結合するタンパク質を計算により設計するための一般的な手法が報告された。著者たちは、その手法を用いてステロイドの一種であるジゴキシゲニンに対して高い親和性と選択性を持つ結合部位を設計した。ジゴキシゲニンは、心臓病の治療に用いられる強心配糖体である。この手法を用いることで、合成生物学、in vivoで毒性化合物を捕捉する治療用スカベンジャー、診断装置用のロバストなリガンド結合ドメインなどに使われる小分子受容体を迅速に作出できるようになると考えられる。

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