Nature ハイライト
細胞:細胞のほぼ全部がiPS細胞になるという効率のよい変換法
Nature 502, 7469
体細胞は、外因性因子の発現を介して多能性状態へ再プログラム化することが可能であり、こうした因子として、従来から使われているのはOct4、Sox2、Klf4およびMyc(OSKM)である。再プログラム化過程では、因子を導入した細胞のごく一部しか誘導多能性幹(iPS)細胞に変換されない。大部分の細胞のiPS細胞への変換を阻止している障壁(群)がどういうものなのかが明らかになっていない上、iPS細胞への再プログラム化を決定論的かつ効率的に行うことができるかどうかも分かっていない。今回、J Hannaたちは、iPS細胞への効率のよい変換は可能であることを明らかにしている。2i/LIF増殖条件でOSKMを過剰発現させ、再プログラム化に対して抑制的に働くMbd3/NuRDコリプレッサーを中和してやると、多能性状態への決定論的かつ同期的な再プログラム化が起こることが分かった。この方法では、OSKMの誘導後たった7日で、マウスおよびヒトの体細胞のほぼ100%がナイーブiPS細胞に変わる。
2013年10月2日号の Nature ハイライト
分子生物学:プロモーターを認識する
遺伝学:単一細胞Hi-C法によるゲノム解析
細胞:細胞のほぼ全部がiPS細胞になるという効率のよい変換法
物理:2倍の量子
材料科学:ナノ光学のための表面励起の観測
地球:南極棚氷の底面における融解
進化:雄の派手さと寿命のトレードオフ
生物物理:グルタミン酸輸送機構を詳しく調べる
生化学:ポリケチド生成の新しいルート