Nature ハイライト
生物物理:グルタミン酸輸送機構を詳しく調べる
Nature 502, 7469
グルタミン酸輸送体は、脳のシナプス内の神経伝達物質を低濃度に維持することにより神経伝達で重要な役割を果たす。輸送機構には、細胞外を向いたコンホメーションと細胞内を向いたコンホメーションの間の転移が関わっており、これによって基質結合部位が細胞膜の両側にアクセス可能となる。今号の2つの論文で、単一分子蛍光共鳴エネルギー移動(FRET )画像化法を用いて、グルタミン酸輸送体の細菌/古細菌ホモログにおける輸送ドメインの大規模な動きを直接観察した結果が報告されている。N Akyuzたちは、個々の輸送ドメインが静止期(外向きと内向きの状態の結晶構造に非常によく似た安定なコンホメーションを反映)と急速転移期(個々の輸送ドメインの膜を貫通する動きを反映)の間を行き来することを見いだした。G ErkensたちはGltPhの3つのサブユニットが互いに独立した、確率論的なコンホメーション変化を起こすことを示している。
2013年10月2日号の Nature ハイライト
分子生物学:プロモーターを認識する
遺伝学:単一細胞Hi-C法によるゲノム解析
細胞:細胞のほぼ全部がiPS細胞になるという効率のよい変換法
物理:2倍の量子
材料科学:ナノ光学のための表面励起の観測
地球:南極棚氷の底面における融解
進化:雄の派手さと寿命のトレードオフ
生物物理:グルタミン酸輸送機構を詳しく調べる
生化学:ポリケチド生成の新しいルート