Nature ハイライト
Cover Story:過去からの爆風:火星の謎のクレーターはずっと以前にあった超巨大火山の証拠
Nature 502, 7469
表紙は、火星の超巨大火山が噴火して、非常に大量の火山灰を大気中に噴出している様子をアーティストが描いたイラストである(垂直スケールは誇張されている)。火山灰の一部は大気中から降下して、細かい粒子からなる層状岩の広大な堆積層を作ったと考えられるが、残りの灰は長期にわたって浮遊し続け、古代の火星気候を強く擾乱させた可能性がある。J MichalskiとJ Bleacherは、火星のアラビア大陸地域、すなわち、起源の分からない層状岩が多数堆積しているが、これまでは火山地帯だとは考えられていなかった地域内に、超巨大火山が存在したことを示唆する新しい研究結果を報告している。火星にある古いカルデラは、侵食によって劣化した衝突クレーターであると誤って解釈されてきたと著者たちは考えている。もし超巨大火山が古代の火星に広く存在したとすれば、それは火山の脱ガス量、気候進化や、惑星表面の層状で断片化した上部地殻の形成などの評価に大きく関わってくるだろう。
2013年10月2日号の Nature ハイライト
分子生物学:プロモーターを認識する
遺伝学:単一細胞Hi-C法によるゲノム解析
細胞:細胞のほぼ全部がiPS細胞になるという効率のよい変換法
物理:2倍の量子
材料科学:ナノ光学のための表面励起の観測
地球:南極棚氷の底面における融解
進化:雄の派手さと寿命のトレードオフ
生物物理:グルタミン酸輸送機構を詳しく調べる
生化学:ポリケチド生成の新しいルート