Nature ハイライト
量子情報科学:スピントロニクス用の新材料
Nature 503, 7477
スピントロニクスデバイスは、電子の電荷だけでなく固有スピンも利用しており、電子スピンの正確な制御と読み出しが必要である。有機半導体をスピントロニクス用途で用いるには、スピン緩和時間の長い分子を見つける必要がある。今回、塗料や染料に使われることの多い青色色素である銅フタロシアニンが、この要件を満たすと考えられることが報告された。銅フタロシアニンは安価であり、デバイスの製造で使われる種類の薄膜形状へ容易に加工処理できるため、スピンを利用する量子情報処理などのスピントロニクス用途向けの材料系候補となる。
2013年11月28日号の Nature ハイライト
システム生物学:カチカチと進む時計によって決まる細胞の運命
医学:抗糖尿病活性を持つ低分子化合物AdipoRon
宇宙:降着がエネルギーを供給する超高輝度X線源
量子情報科学:スピントロニクス用の新材料
宇宙:火星高地から来たことの「石のように硬い」証拠
生態:侵入種の交代
進化遺伝学:iPS細胞を使って霊長類どうしの関係を調べる
医学:コウモリで見つかったSARS様ウイルス