Nature ハイライト
進化遺伝学:iPS細胞を使って霊長類どうしの関係を調べる
Nature 503, 7477
チンパンジーおよびボノボ由来の誘導多能性幹(iPS)細胞が作製されて特性解析が行われ、それを用いてヒトと非ヒト霊長類(NHP)の表現型の差異が調べられた。遺伝子発現の比較解析から、チンパンジーやボノボではヒトに比べて、L1(long interspersed element-1)と呼ばれる長い散在性反復配列の発現が多いことが明らかになった。APOBEC3BとPIWIL2という2つの遺伝子のヒトとNHPの間での発現の差異は、L1トランスポゾンの可動性および内因性L1のメッセンジャーRNA量と相関していた。著者たちは、L1の可動性の差異が、ヒトとNHPのゲノムを異なるものにした可能性があり、今もなお、適応に重要なのではないかと考えている。
2013年11月28日号の Nature ハイライト
システム生物学:カチカチと進む時計によって決まる細胞の運命
医学:抗糖尿病活性を持つ低分子化合物AdipoRon
宇宙:降着がエネルギーを供給する超高輝度X線源
量子情報科学:スピントロニクス用の新材料
宇宙:火星高地から来たことの「石のように硬い」証拠
生態:侵入種の交代
進化遺伝学:iPS細胞を使って霊長類どうしの関係を調べる
医学:コウモリで見つかったSARS様ウイルス