Nature ハイライト
生態:侵入種の交代
Nature 503, 7477
侵入植物は生態系の機能をがらりと変化させて、在来種に悪影響をもたらす場合がある。しかし、侵入種を根絶させたらどうなるのだろう。その生態系は永久的に変化したままなのだろうか、またそこに在来種を戻してやれば、それらは以前と同様に生息し続けるのだろうか。こういう問題を検討するため、S YelenikとC D'Antonioは、イネ科草本植物に侵入されたハワイ火山国立公園の野外調査地を再び調査し、20年以上前に行われた侵入種による影響についての研究を繰り返した。侵入イネ科草本は窒素無機化のレベルを変化させていたが、20年ほど経つと生態系は侵入以前のレベルに戻っていた。しかし、その新しい状態はかつて存在していた種の再定着に有利にはならず、窒素固定を行う高木のMorella fayaという新たな侵入種に有利に働いた。
2013年11月28日号の Nature ハイライト
システム生物学:カチカチと進む時計によって決まる細胞の運命
医学:抗糖尿病活性を持つ低分子化合物AdipoRon
宇宙:降着がエネルギーを供給する超高輝度X線源
量子情報科学:スピントロニクス用の新材料
宇宙:火星高地から来たことの「石のように硬い」証拠
生態:侵入種の交代
進化遺伝学:iPS細胞を使って霊長類どうしの関係を調べる
医学:コウモリで見つかったSARS様ウイルス