Nature ハイライト
Cover Story:太陽光を無駄にしない:可視スペクトルの光エネルギーを集める強誘電体材料
Nature 503, 7477
表紙は入射光から電流を発生している酸化物結晶である。強誘電体材料の特徴である自発電気分極は、太陽電池への応用に有望とされ、関心を集めている。それは、こうした材料では光吸収によって生じた正電荷と負電荷が自然に分離する傾向を持つために、光エネルギーをより容易に効率よく集めることができるからである。しかし、既知のほとんどの強誘電体は電子バンドギャップが広く、太陽スペクトルのほんの一部の高エネルギー光子しか吸収しない。今回、I Grinbergたちは、ある種の古典的な強誘電体は化学的操作によってバンドギャップを広い範囲にわたって調節可能で、その結果として太陽スペクトル全域にわたって強い吸収と光電流発生を実現できることを明らかにした。
2013年11月28日号の Nature ハイライト
システム生物学:カチカチと進む時計によって決まる細胞の運命
医学:抗糖尿病活性を持つ低分子化合物AdipoRon
宇宙:降着がエネルギーを供給する超高輝度X線源
量子情報科学:スピントロニクス用の新材料
宇宙:火星高地から来たことの「石のように硬い」証拠
生態:侵入種の交代
進化遺伝学:iPS細胞を使って霊長類どうしの関係を調べる
医学:コウモリで見つかったSARS様ウイルス