Nature ハイライト
気候:太平洋赤道海流とエルニーニョ/ラニーニャの非対称性
Nature 504, 7478
1982/83年と1997/98年に起こった極端なエルニーニョ気候現象は、東向きに伝播する高温偏差と関連があり、極めてまれな気象事象と広範囲にわたる環境破壊をもたらした。対照的に、中程度なエルニーニョの際には異常に暖かい海水が東部赤道太平洋にとどまり、ラニーニャの際には冷たい深層水の湧昇がより明白になるが、この2つの特徴は、西向きに伝播する傾向がある。今回、新たな分析によって、伝播のこのような非対称性と上層海流の変動が関連付けられ、温暖化する世界では、赤道海流と貿易風が弱まると予想されるため、この非対称性がより強くなることが示された。将来の温暖化のシナリオでは、東向きに伝播するエルニーニョの発生頻度が2倍になる。
2013年12月5日号の Nature ハイライト
構造生物学:ムスカリン性アセチルコリン受容体M2におけるアロステリー
構造生物学:TRPイオンチャネルの開構造と閉構造
宇宙:γ線バースターからの最初の光
惑星科学:ベスタの意外な場所で発見されたカンラン石
気候:太平洋赤道海流とエルニーニョ/ラニーニャの非対称性
がん:メラノサイトのシグナル伝達と薬剤耐性
細胞:Nras変異細胞はチャンスを2倍にする
免疫:新生児が感染を起こしやすい理由
発生生物学:脂肪細胞の運命を制御する