Nature ハイライト

発生生物学:脂肪細胞の運命を制御する

Nature 504, 7478

褐色脂肪組織(BAT)で高レベルで発現しているEHMT1(euchromatic histone-lysine N-methyltransferase 1)という酵素が、褐色脂肪細胞の運命を制御するPRDM16転写複合体の必須の構成要素であることが今回明らかになった。褐色脂肪細胞でEHMT1が欠失すると、褐色脂肪の特性が失われ、in vivoでは筋選択的遺伝子プロモーターのヒストン3リシン9の脱メチル化を介して筋肉への分化が誘導される。対照的に、EHMT1が発現するとPRDM16タンパク質が安定化し、それによって褐色脂肪細胞で熱産生遺伝子プログラムのスイッチが入る。脂肪細胞特異的にEHMT1を欠失させると、BATによる適応的な熱産生が減少し、肥満やインスリン抵抗性が引き起こされる。

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