Nature ハイライト
免疫:新生児が感染を起こしやすい理由
Nature 504, 7478
出生後の数週間、乳児は播種性感染に非常にかかりやすい。このような脆弱性は、新生児の免疫細胞に本来的な欠陥があるためだと一般に考えられている。しかし今回、新生児の体内という環境中で起こる活発な免疫抑制によって減弱しているのは、実際には宿主防御の方であることを示す証拠が得られた。S Wayたちは、新生仔マウスでは、アルギナーゼ2を発現するCD71+赤芽球サブセットが全身的な免疫細胞活性化を抑制し、共生微生物が定着することで引き起こされる可能性がある有害な炎症に新生児が不意に曝露されないようにしていることを明らかにした。つまり、免疫細胞活性化のこうした抑制が、感染に対する抵抗性まで低下させてしまうという残念な結果につながるのである。
2013年12月5日号の Nature ハイライト
構造生物学:ムスカリン性アセチルコリン受容体M2におけるアロステリー
構造生物学:TRPイオンチャネルの開構造と閉構造
宇宙:γ線バースターからの最初の光
惑星科学:ベスタの意外な場所で発見されたカンラン石
気候:太平洋赤道海流とエルニーニョ/ラニーニャの非対称性
がん:メラノサイトのシグナル伝達と薬剤耐性
細胞:Nras変異細胞はチャンスを2倍にする
免疫:新生児が感染を起こしやすい理由
発生生物学:脂肪細胞の運命を制御する