Nature ハイライト
がん:メラノサイトのシグナル伝達と薬剤耐性
Nature 504, 7478
BRAF/MEKシグナル伝達経路の構成的活性化を引き起こす変異は、黒色腫の発生を促進する可能性がある。黒色腫患者ではこの経路を標的とする治療が有効な場合もあるが、通常は薬剤耐性が生じる。薬剤耐性の機構はここ数年で多数明らかになっている。今回L Garrawayたちは、BRAF変異を持つ黒色腫細胞で発現してBRAFやMEKの阻害剤に対する耐性を促進する遺伝子を探索するために不偏スクリーニングを行い、メラノサイト系譜の発生と生存に重要なサイクリックAMP(cAMP)シグナル伝達経路が薬剤耐性をもたらし得ることを見いだした。さらなる研究により、薬剤耐性が生じた黒色腫患者でcAMPが活性化されているのかどうか、またされている場合にはどのように活性化されるのかを明らかにする必要があるが、この経路は黒色腫治療の新しい治療標的になる可能性がある。
2013年12月5日号の Nature ハイライト
構造生物学:ムスカリン性アセチルコリン受容体M2におけるアロステリー
構造生物学:TRPイオンチャネルの開構造と閉構造
宇宙:γ線バースターからの最初の光
惑星科学:ベスタの意外な場所で発見されたカンラン石
気候:太平洋赤道海流とエルニーニョ/ラニーニャの非対称性
がん:メラノサイトのシグナル伝達と薬剤耐性
細胞:Nras変異細胞はチャンスを2倍にする
免疫:新生児が感染を起こしやすい理由
発生生物学:脂肪細胞の運命を制御する