Nature ハイライト
材料:結晶へのゆるやかな道
Nature 505, 7481
ナノ粒子の結晶化過程は、原子の結晶化過程と比べてはるかに複雑で、あまりよく理解されていない。今回C Mirkinたちは、DNAを介するナノ粒子の集合では、荷電生体分子が存在し、粒子間距離が非常に長いにもかかわらず、原子の結晶化に似た経路をたどり得ることを示している。DNAで修飾したナノ粒子の溶液を系の融点未満まで数日かけて非常にゆっくり冷却すると、予想どおりの平衡構造を持つ単結晶が生成した。この結果から、DNAを介するこうした集合が、複雑な結晶化現象の研究や、明確な法則を利用した狙いどおりの格子対称性と格子定数を持つナノ粒子結晶の生成に理想的な系であることが示唆される。今回の結晶化法を用いれば、実際にフォトニクスや触媒反応に応用できる有用な特性を持つ微小単結晶を作成できる可能性がある。
2014年1月2日号の Nature ハイライト
気候科学:気候モデルの不確実性を引き起こす大気混合
進化:ネアンデルタール人女性のゲノム塩基配列
医学:アルテミシニン耐性マラリアのマーカー
宇宙:2つの惑星の物語
材料:結晶へのゆるやかな道
集団遺伝学:最初のアメリカ先住民の絡み合ったルーツ
神経科学:恐怖関連行動の制御
細胞生物学:CXCR7/CXCR4のバランスと肝臓の修復
分子生物学:mRNA上で終わりを宣言する