Nature ハイライト
細胞生物学:CXCR7/CXCR4のバランスと肝臓の修復
Nature 505, 7481
S Rafiiたちは今回、SDF-1(stromal-derived factor-1)受容体であるCXCR7とCXCR4の2つの間のバランスによって、肝臓が損傷した場合に肝臓の類洞内皮細胞(LSEC)が再生と繊維形成のどちらの応答に向かうのかが決まることを示した。急性損傷後には、再生を促すCXCR7/Id1経路の活性化が優勢となる。それに対して、慢性的な肝損傷では、LSECでのFGFR1(fibroblast growth factor receptor 1)の持続的な活性化が引き起こされ、それによってCXCR4の発現が増えて、保護的なCXCR7シグナル伝達を妨げ、応答を繊維形成に向かわせる。これらの結果は、繊維形成を引き起こさずに肝臓の修復を促す治療法を開発するための戦略候補を示唆している。
2014年1月2日号の Nature ハイライト
気候科学:気候モデルの不確実性を引き起こす大気混合
進化:ネアンデルタール人女性のゲノム塩基配列
医学:アルテミシニン耐性マラリアのマーカー
宇宙:2つの惑星の物語
材料:結晶へのゆるやかな道
集団遺伝学:最初のアメリカ先住民の絡み合ったルーツ
神経科学:恐怖関連行動の制御
細胞生物学:CXCR7/CXCR4のバランスと肝臓の修復
分子生物学:mRNA上で終わりを宣言する