Nature ハイライト
神経科学:自閉症と統合失調症に見られる遺伝的変異
Nature 505, 7483
コピー数多型(CNV)は、個体間でゲノムの一部の反復回数が異なることをいい、特定のまれなCNVが統合失調症や自閉症と関連することが、これまでの研究で示されている。しかし、そうしたCNVの保有者が必ずしも病気や明らかな知的障害を発症するわけではない。K Stefanssonたちは、このような変異を保有するアイスランド人集団を調べ、保有者は病気でないものの、その脳はこうした変異を持たない対照群の脳とは微妙に異なっていることを明らかにした。CNVは全てが同じ認知領域に影響するわけではないが、特に15q11.2(BP1-BP2)の欠失は、統合失調症の初回エピソードの間に観察されるパターンと失読症における構造的関連性のパターンの両方に一致するパターンで、脳構造に影響を与える。これらのCNV保有者をさらに詳しく調べることで、どの異常が保有者の統合失調症の発症リスクを高めるのかをより正確に特定することが可能になるかもしれない。
2014年1月16日号の Nature ハイライト
神経科学:自閉症と統合失調症に見られる遺伝的変異
細胞生物学:コヒーシンのリングがDNAを囲い込む仕組み
分子生物学:RNAポリメラーゼをDNA修復のためにバックさせる
宇宙:Be型星に見つかったブラックホール伴星
材料科学:ナノ粒子の「糊」でゲルをくっつける
化学:単純なアルケンから生成できるキラル生成物
地球:河川下刻についての事実と仮定
生態学:アマゾン湿地帯は気体二酸化炭素の放出源である
神経科学:新生仔期の神経活動と血管系のつながり
生化学:アシルキャリヤータンパク質の構造が明らかに