Nature ハイライト

材料科学:ナノ粒子の「糊」でゲルをくっつける

Nature 505, 7483

ゲル片同士はそのままではくっつかない(上)が、シリカナノ粒子溶液を表面に塗って重ね合わせ10秒ほどおくと、しっかりと接着する(下)。
ゲル片同士はそのままではくっつかない(上)が、シリカナノ粒子溶液を表面に塗って重ね合わせ10秒ほどおくと、しっかりと接着する(下)。 | 拡大する

Credit: MMC Laboratory/ESPCI/CNRS

ヒドロゲルは、多くの新しい工学的応用や生物医学的応用にとって非常に貴重な材料である。しかし、普通の接着剤ではヒドロゲル同士を接着できないので、集合体を作ることは困難であった。これまで、ゲルを接着するには加熱や化学反応などの複雑で積極的な処理が必要だった。しかし、L Leiblerたちは今回、ナノ粒子溶液をゲルの表面に塗り広げ、その上に別のゲルを押し付けるだけで、著しく膨潤したゲルを迅速かつ効率よく接着できることを示している。この方法は、ナノ粒子がゲル中のポリマー鎖と結合し、2つのゲル中のポリマー鎖をつなぐ働きができることに基づいている。2つの仔ウシ肝臓片を接着させた例で示されているように、この方法は一部の生物組織にも有効である。

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