Nature ハイライト
宇宙:Be型星に見つかったブラックホール伴星
Nature 505, 7483
連星系の進化モデルでは、高速回転する「輝線B」型星、すなわち「Be」型星の赤道外層から降着を受けるブラックホールの存在が予測されている。Be型星は、若くて青い不規則変光星で、特徴的な水素のスペクトル輝線を示す。だが、Be型X線連星にこれまで見つかっているコンパクトな伴星は、大部分が中性子星である。準矮星を伴っているものも少数存在するが、ブラックホールを伴っているものは、これまで見つかっていない。こうした状況が、Be型星MWC 656の伴星を取り巻く降着円盤のスペクトル中に、前例のないHe II 4,686 Åの可視光輝線が発見されたことによって変わることになった。この観測結果は、他の情報と併せて、太陽質量の3.8~6.9倍の質量を持つブラックホールの存在を示している。
2014年1月16日号の Nature ハイライト
神経科学:自閉症と統合失調症に見られる遺伝的変異
細胞生物学:コヒーシンのリングがDNAを囲い込む仕組み
分子生物学:RNAポリメラーゼをDNA修復のためにバックさせる
宇宙:Be型星に見つかったブラックホール伴星
材料科学:ナノ粒子の「糊」でゲルをくっつける
化学:単純なアルケンから生成できるキラル生成物
地球:河川下刻についての事実と仮定
生態学:アマゾン湿地帯は気体二酸化炭素の放出源である
神経科学:新生仔期の神経活動と血管系のつながり
生化学:アシルキャリヤータンパク質の構造が明らかに