Nature ハイライト
原子物理学:ディラック作用がなかなか見つからなかった単極子を生成する
Nature 505, 7485
1931年にディラックが磁気単極子に関する包括的な理論を構築して以来、物理学者はN極かS極のみの特徴を持つこうした仮想粒子の単離を熱心に試みてきた。磁気単極子に似たものはスピンアイスなどのエキゾチック系で見いだされているが、量子場によって記述される媒質中にディラック単極子が直接観測されたことはない。しかし、今回D Hallたちは、スピノル・ボース・アインシュタイン凝縮体によって生成される合成磁場中に、ディラック単極子を実験的に観測した結果を報告している。この凝縮体中の渦線の終端部に存在する単極子の実空間画像が撮影され、ディラック単極子が存在することを示す証拠が得られた。制御された環境中にディラック単極子を生成し、操作すれば、広範囲の実験研究と理論研究の可能性が開かれる。
2014年1月30日号の Nature ハイライト
進化:調節性lncRNAの出現は大昔にさかのぼる
細胞:多能性を誘導する新たな手段
細胞生物学:ヒストンバリアントH2A.Zのシャペロン
宇宙:近傍褐色矮星の天候に注目しよう
原子物理学:ディラック作用がなかなか見つからなかった単極子を生成する
化学:がん標的療法への応用が期待される緩和制御
進化:繁殖のことなら兄弟は協力し合う
分子生物学:in vivoのRNAストラクチュロームを調べる