Nature ハイライト
幹細胞:筋肉が老いるとき
Nature 506, 7488
哺乳類の成体幹細胞機能の非常に重要な特性の1つは、長期間にわたって静止状態を維持し、再生が必要な時に応答するという能力である。骨格筋の量と機能の低下は、高齢者にしばしば見られる特徴であり、衛星細胞として知られる骨格筋幹細胞の再生能力の低下と関連している。P Muñoz-Cánovesたちは、老化した衛星細胞が、静止状態から前老化状態へ不可逆的に移行することを示している。この前老化状態は、老化マーカーであることが確認されている腫瘍抑制タンパク質のp16INK4aの発現上昇と関連する。成体期にp16INK4aを抑制すると、衛星細胞は可逆的静止状態を維持し、筋再生が可能になることが示された。ヒトの老化衛星細胞では、p16INK4aの調節が異常になることで、筋再生能力が失われるのではないかと考えられる。
2014年2月20日号の Nature ハイライト
幹細胞:筋肉が老いるとき
幹細胞:乳腺で二分化能を持つ幹細胞が果たす役割
がん:白血病の前がん過程
分子生物学:RNA–タンパク質複合体の組み立て
宇宙:非対称な爆発の残骸であるカシオペア座A
プラズマ物理学:核融合の燃料利得向上
進化:鳥類特有のものではなかった非潮汐的な換気
創薬:関節リウマチ薬の標的を探す
細胞生物学:半数体の生活に都合の良い調節戦略