Nature ハイライト

プラズマ物理学:核融合の燃料利得向上

Nature 506, 7488

内部にカプセルを組み込んだ金ホーラムターゲット。
内部にカプセルを組み込んだ金ホーラムターゲット。 | 拡大する

Credit: LLNL

実現可能な代替エネルギー源として核融合の開発が続けられているが、これまで進展が遅かった。燃料ターゲットを圧縮、加熱して核融合を開始させる慣性閉じ込め型核融合の場合、重要な実験目標は、誘起される核融合反応によって発生するエネルギー量が、圧縮と加熱の過程で燃料に蓄積されるエネルギー量を超える段階に到達することである。このしきい値が、1を超える「燃料利得」の実現であり、今回、米国カリフォルニア州リバモアの国立点火施設において達成された。192本のレーザービームを用いて、核融合反応が起こるまで燃料ペレットが加熱、圧縮され、これまでの10倍の収量が得られた。しかし、核融合エネルギー収量が燃料ペレットの圧縮に必要な全エネルギーを超えるまでには、さらなる進歩が必要である。

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