Nature ハイライト
微生物学:細菌の形を決めるSpmX
Nature 506, 7489
細菌の多種多様な形態の進化を担ってきた仕組みについては、まだよく分かっていない。今回Y Brunたちは、Caulobacter属とAsticcacaulis属の細菌では、リゾチームファミリーの局在因子SpmXをコードするspmX遺伝子が、細胞の形態に重要な影響を持つ発生調節因子であることを突き止めた。SpmXは、細胞外被にある茎様の突起物(ストーク)の位置を、Caulobacter属では細胞の極に、Asticcacaulis属では両脇に指定することが分かった。系統発生解析によって、spmXの特定領域の段階的な進化が、このタンパク質の新たな機能の獲得と局在化につながり、ストークの位置の連続的な移行が起こったことが明らかになった。
2014年2月27日号の Nature ハイライト
がん:小児上衣腫のゲノム解析
細胞生物学:クローン病の遺伝学
宇宙:鉄を含まない星
素粒子物理学:かつてない精度で求められた電子質量
大気科学:森林から放出される物質がエアロゾルになるまで
地球化学:噴火間際にとらえられたマグマ
古生物学:太古の海生爬虫類の本当の体色
微生物学:細菌の形を決めるSpmX
遺伝学:酵母で遺伝子のばらつきをマッピングする