Nature ハイライト
神経科学:ショウジョウバエは求愛歌を変化させる
Nature 507, 7491
多くの動物の雄は、雌との生殖の成功率を高めるために、決まったパターンの求愛歌を発する。そのため、求愛歌構造の変動は有害な「雑音」と見なされてきた。今回M Murthyたちは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の雄が翅の振動によって発生する求愛歌のシグナルパターン形成について調べた。そして、雄は、交互に現れる2つのモードからなる求愛歌のパターンを、視覚や自己の運動の感覚入力に応じて調整していることが分かった。雌はこのようなパターン調整を敏感に感じ取り、求愛歌の特徴と雌自身の行動状態に合わせて、歩く速度を変化させる。今回の結果は、求愛歌は固定的なパターンに従うという広く受け入れられた見方とは矛盾するもので、ショウジョウバエが複雑な社会環境の下での迅速な意志決定の研究に役立つ有望な実験モデルになることを示している。
2014年3月13日号の Nature ハイライト
細胞:肺の幹細胞の生活史
医学:C9orf72に関連する神経病変でのRNA毒性
免疫:ひと味違うワクチン設計
化学:触媒選択性を計算するための新しいモデル
化学:離れたC–H結合のサイト選択的活性化
地球:地球のリングウッダイトは水の分布を反映している
遺伝学:最後の狩猟採集民
遺伝学:超遺伝子は遺伝子をどれだけ超えるのか?
神経科学:ショウジョウバエは求愛歌を変化させる
医学:準備OKのマラリア毒性因子