Nature ハイライト

磁気圏物理学:地球の放射線帯内の「縞模様」

Nature 507, 7492

地球の放射線帯には、磁場によって決まった位置に束縛されている電子とイオンが集まっている。これまで、こうした放射線帯の構造的な特徴は、強い太陽風活動によって起きているとされていた。惑星の自転は、木星や土星を取り巻く放射線帯のダイナミクスを駆動する際に重要な役割を果たしていると考えられているが、木星や土星に比べて関与する力がずっと小さい地球の放射線帯では自転の影響は無視できるとされてきた。今回、ヴァンアレン帯探査機ミッションにより得られたデータを新たに分析した結果、地球の放射線帯内帯の全空間領域にわたる高エネルギー電子の分布が、太陽風活動が低い時でさえ、規則的で明瞭に構造化された予想外の「縞模様」に組織化されていることが示された。モデリングからは、約24時間のドリフト周期を持つ電子と共鳴的に相互作用する電磁場の全球的な日変化が惑星の自転によって誘発され、このパターンが作り出されることが明らかになった。

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