Nature ハイライト
がんゲノミクス:膀胱がんの治療標的を探し出す
Nature 507, 7492
今回、がんゲノムアトラス(TCGA)プロジェクトの一環として、筋層に浸潤したグレードの高い尿路上皮膀胱がん131例について解析が行われ、32個の遺伝子で頻発性変異が見つかった。それらの中には、細胞周期調節、クロマチン調節およびキナーゼシグナル伝達経路に関与する遺伝子が含まれている。クロマチン調節遺伝子は、今までに調べられた他のよく見られるがんのどれよりも、尿路上皮がんで高頻度に変異していた。また、頻発性のインフレーム活性型FGFR3–TACC3融合や、遺伝子の不活性化に関連するウイルスの発現や組込みも明らかになった。これらの腫瘍のうち69%で治療標的候補が見つかったことは重要である。
2014年3月20日号の Nature ハイライト
がんゲノミクス:膀胱がんの治療標的を探し出す
発生生物学:骨の成長と血管新生は連動している
創薬:明らかになった死細胞処分機構
宇宙:アンドロメダ座IIに見つかった矮小銀河の合体
磁気圏物理学:地球の放射線帯内の「縞模様」
フォトニクス:フォトニクス技術を搭載したレーダー
環境化学:新生代の炭素収支を釣り合わせる
進化:メラノソームの形態の変化
進化遺伝学:ネアンデルタール人の遺伝子は今
免疫:インターロイキン35による免疫の負の調節