Nature ハイライト

医学:精巣癌遺伝子の同定

Nature 435, 7040

マウスの精巣癌の原因となる遺伝子が同定された。ある系統のマウスは、精巣癌の発生率が通常の5%に比べ94%と大幅に高いことが30年以上も前に報告されていたが、原因遺伝子を同定するまでには、このように長い年月がかかってしまった。  精巣癌は15〜30才の男性では最も多くみられる癌で、欧米諸国で発生率が増えている。今回の研究で、正常な精巣の発生に関与するdead endとよばれる遺伝子にTer変異が起こることが明らかになった。A Matinたちによれば、Ter変異によってマウスでは精巣腫瘍の発生率が劇的に増加するという。これらの結果が示すように、Ter変異が始原生殖細胞のきわめて重要な機能に悪影響を及ぼしている可能性がある。今回の研究は、精巣の生殖細胞腫瘍の遺伝的制御を理解するうえで大きな意味をもつだろうとMatinたちは述べている。

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